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高麗人参に含まれる「ジンセノサイド」とは、どのような効果があるのでしょうか、と問われても答えることは難しいかもしれません。聞きなれないことばですから、仕方のないことです! では、高麗人参に含まれるジンセノサイドとは、どのようなものかご紹介いたします。
ジンセノサイドとは?
ジンセノサイドとは、人参サポニンのことです。
人参サポニンとは、高麗人参に含まれる特有のサポニンで、韓国産高麗人参を蒸して乾燥させる加工を施した紅参には、30種類以上のジンセノサイドが含まれているといわれています。加工方法によって、ジンセノサイドの量が変わってきて、単純に乾燥させた白参にはジンセノサイドは23種類になります。
また、サポニンは毒性がある場合もあるのですが、ジンセノサイドは毒性も習慣性もありませんので、副作用なく使用することが出来る、有効成分です。
様々な働きをするジンセノサイド
ジンセノサイドですが、複数の異なった働きを持つという特徴があります。
まず、紅参に含まれるジンセノサイドは3つの系統があり、
- ジオール系:中枢神経に抑制的に働きかけ、血管の拡張作用があります。
- トリオール系:中枢神経に興奮的に作用し、血小板凝集抑制的に働く作用があります。
- Ro系:抗炎症作用、解毒作用、抗肝炎作用など。
ジオール系とトリオール系は、良く見ていただくと、実は真逆の働きをしていることがわかります。高麗人参のジンセノサイドの面白いところは、このように矛盾した働きをする効果があるということです。
ジンセノサイドの効果・効能
ジンセノサイドの効果を紹介していきます。
精神安定作用
- 興奮や刺激状態を抑制
- 不安を鎮静化する働き
向精神薬、抗不安薬、精神安定剤のように副作用として眠気などの諸症状が発生するということはありません。そのため、精神的な症状が原因の不眠や自律神経障害などの改善に効果が期待できます。
性機能障害改善作用
卵巣刺激ホルモンの上昇作用、抗ストレス、血行改善作用がジンセノサイドにはりますので、これらが複合的に関係試しあい、不妊症の改善効果があります。
また、男性の性機能に関しては精子の減少に対して改善効果が期待されます。
自律神経バランス回復作用
- ジンセノサイドの効果により、ストレスが原因の副腎細胞の増大、血糖上昇の抑制が期待できます。
- 副腎細胞の抑制により、副交感神経に作用し、自律神経の乱れを抑制します。
食欲調整作用
ジンセノサイドの作用により、食欲中枢が刺激され、僅かな食事で満腹感を覚えるようになります。食欲を抑制する効果があるのです。しかし、手術後など栄養が必要なときは、真逆の効果があらわれて食欲が増進します。
- 食欲増進作用
- 食欲抑制作用
このような対極の効果が、ジンセノサイドにはあります。
血行改善作用
血行改善作用がありますので、女性の悩みである低血圧や冷え性などの改善効果が期待できます。
老化防止作用
ジンセノサイドには強い抗酸化作用がありますので、体を酸化させて脆くさせる活性酸素を予防するのに効果を発揮します。
また、脳血流増加作用がありますので、脳梗塞の再発予防、血管性認知症に対しても、それなりの効果を発揮します。
血液中の脂肪減少効果
ジンセノサイドの効果の1つに、血中コレステロール値の減少作用があります。
- 血中コレステロール
- 総コレステロール
- 中性脂肪
- 高脂血症
このように、体内の脂質異常が原因の諸症状の改善効果というものが期待できます。
糖尿病などの改善
ジンセノサイドは、必要以上に上昇した血糖をインスリンに作用して正常に戻す作用があります。
必要以上に血糖を下げる心配というのは少なく、正常血糖値に戻すことで効果が切れます。また、インスリンに似た効果を持つ酸性ペプチドが糖質代謝を促進し、糖尿病対策、糖尿病の合併症対策に期待されています。
- 血糖値の正常化
- 糖尿病の予防
- 糖尿病の合併症の対策
これらのような効果が期待できます。
まとめ
ジンセノサイドとは、人参サポニンと同じものです。高麗人参の中に含まれており、特に、紅参の中に30種類以上が含まれています。高麗人参に含まれるジンセノサイドは大きく分けて3つの体系(ジオール系、トリオール系、Ro系)に分けることができ、それぞれ異なった効果を発揮するので、幅広い薬効を期待することができます。
ジンセノサイドの効果と効能は下記の通りです。
- 精神安定作用
- 性機能障害改善作用
- 自律神経バランス回復作用
- 食欲調整作用
- 血行改善作用
- 老化防止作用
- 血中脂肪減少作用
- 糖尿病などの改善作用