Pocket

memo128_128「高麗人参」という言葉は聞いたことがある方も多いかと思いますが、「漢方薬のこと?」「何に効果があるの?」「人参なの?」・・・と高麗人参のことを詳しく知っている方は少ないのが現状です。このページでは「高麗人参とは何?」という基本的な部分を解説します。

高麗人参とは?

  • 高麗人参とは、ウコギ科の多年生草木の根を乾燥させたものを指します。
  • 和名では「オタネニンジン」や「朝鮮人参」、単純に「人蔘」とも呼ばれています。

余談ですが、学名では、パナックス・ジンセンといい、ギリシャ語の「すべて(Pantos)」「医薬(axos)」に由来するもので、日本語的に訳せば万能薬という意味です。

中国東北部から朝鮮半島にかけて自生しており、古来より、不老長寿の妙薬として珍重されています。

現在においても栽培が難しいとされており、紀元前40年ごろ、中国前漢時代に書かれた書物「急就章(きゅうしゅうしょう)」という書物には、「蔘」という名称で、記されて登場し、西暦200年ころに書かれた「傷寒論(しょうかんろん)」という書物には、すでに人参配合と処方の仕方が列挙されています。

しかし、人工栽培に成功したのは11世紀ごろ、朝鮮半島でのことです。現在、高麗人参に「高麗」とつくのは朝鮮半島で人工栽培に成功したことに由来します。

東洋医学の漢方がWHO(世界保健機構)によって認められ、最先端の医学の臨床の現場でも効果を発揮することが認められている、万能の漢方薬・漢方薬の王といえます。

サラダなどにして食べるニンジンは、セリ科の植物で、高麗人参に形が似ていたからニンジンとつけられました。現在は、ニンジンと言えばセリ科のニンジンですが、本来の人参は高麗人参になります。

高麗人参と日本

高麗人参が日本へ渡ってきたのは「続日本書紀」によれば天平11年ごろで、渤海文王の使いが、聖武天皇に人参30斤を奉呈したそうです。この頃は、皇族や上級の貴族しか口にすることのできない、非常に高価な薬とされています。

奈良にある正倉院には、光明天皇が生薬として高麗人参を人々に勧めたという文献があり、当時の高麗人参も保存されています。

竹節人参の発見

時代が下り江戸時代、高麗人参は輸入に頼っていたのですが、1630年代に竹節人参という高麗人参に類似する人参が九州で発見され、高麗人参の代用品として江戸幕府は販売を許可しています。

庶民の人参として竹節人参は広まっています。ただ、高麗人参よりも薬効成分の含有量は少ないようです。

高麗人参の国産化計画

8代将軍徳川吉宗が金銀の海外への流失を恐れて、中国や韓国から輸入した高麗人参を御薬園にて採取し、そこで採れた高麗人参の種を日本中の大名に配り、日本での栽培を奨励、1728年に日光の御薬園にて初の国産化に成功しています。

1760年ころには5万株にも広まります。

高麗人参の和名が「オタネニンジン」というのは、吉宗が種を大名たちに配ったことに由来したものです。

幕府管理下で高麗人参の栽培が続けられていましたが、現在でも福島県会津若松(会津人参)、長野県丸子(信州人参)、島根県大根島(雲州人参)で栽培されています。

ただ、朝鮮半島で栽培されている高麗人参の方が有用成分のサポニンが多く含まれているため、現在では輸入がメインとなっています。

高麗人参の栽培方法

高麗人参は18世紀に栽培方法が確立していますが、現在においても栽培が難しいとされています。

複数の原因があるのですが

1つ目は一度、畑で高麗人参を育ててしまうと畑の栄養を高麗人参が吸収し尽くしてしまい、6年~10年は畑を休ませる必要が出てきます。
2つ目は、収穫するまでに最低でも4年の期間を要し、サポニンの含有量がもっとも多く安定している6年目まで育つ高麗人参はあまり多くありません。

ちなみに、高麗人参は人工栽培では6年で80gまで成長しますが、天然ものの人参(山参)は、48年ものでも60gに満たないのです。

天然ものは姿をほとんど消していますが、市場に出回ったら最低数百万はくだらないものとなります。

高麗人参の加工について

高麗人参は水分を多く持っているので、収穫してからすぐに加工処理を行わないとすぐに腐ってしまいます。

加工方法は様々ですが、サポニンの量が増える加工法として、セイロで蒸して乾燥させる加工を施すものがあります。これが紅参と呼ばれ高級高麗人参として取引をされます。

まとめ

高麗人参とは

中国東北部から朝鮮半島にかけて自生していたウコギ科の多年生草木の根を乾燥させたもの

です。

古来より、不老長寿の妙薬として珍重され、朝鮮半島で人工栽培に成功したため「高麗人参」と呼ばれるようになったのです。畑で育てると、畑の栄養を高麗人参が吸収し尽くしてしまい、6年~10年は畑を休ませる必要が出てくるほど、色々な栄養を吸収してしまう植物なのです。

Pocket